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2012年02月20日

ノー・ヘルメット運転の取締まり

週末、地方での車の信号待ちをしている時に、オートバイのノー・ヘルメット運転の取締りを見かけました。取締まり自体はよく見かけるので、「つかまった若者もついてないなぁ…」と思いながら眺めていたのですが、今回はいつもとちょっと違ってました。



普通は警官がノーヘルのドライバーに「ちゃんとヘルメットをかぶれ。親に連絡するぞ!」みたいな小言を言って開放するのがパターンなのですが、この取締りではその場で警官がドライバーにヘルメットを売ってたんです。強制か任意かはわかりませんでしたが、どうも強制っぽい感じでした。もちろん有料。その場で違反を無くそうという荒療治なんでしょうね。ここまでやっているとは知りませんでした。市民の前で大々的にやっているので、ヘルメットの売り上げも警官の懐に入るわけではないのでしょう(と信じます)。

ただ、ノーヘル運転も危ないですが、3人乗りもかなり危ないと思うんです。これについてはお咎めなしで、3人乗りのまま、運転手だけ購入させられたヘルメットをかぶって軽快に走り去りました。何だかタイっぽくて笑ってしまいました…。

  


Posted by icnetasia at 19:58Comments(0)タイ社会

2012年02月16日

ラオス一村一品プロジェクトの終了

今月で2009年から参加してきたラオス南部での一村一品プロジェクトが終了します。4月からは対象県を南部2県から南部5県(サバナケット県、サラワン県、チャンパサック県、アタプー県、セコン県)に拡大した後継プロジェクトが始まりますが、とりあえず一段落という感じです。たくさんの方々にお世話になりました。

3年強にわたりバンコクとラオス南部を往復して参加してきましたが、このプロジェクトは本当に現場が近く、産品の生産者の反応や変化を肌で感じることができる、とてもやりがいのあるプロジェクトでした。開発ワーカー冥利に尽きます。

ラオスの一村一品運動はタイのOTOPに比べればMovementとしてはまだまだ比較にならないほど小さいものですが、今後大きなうねりになっていく可能性はあると思います。

タイのOTOPはタクシン元首相のイニシアティブで予算や組織を大動員して国家政策として進められました。タイではOTOPを支援する社会的な基盤(OTOP産品の商品化のための包装ビジネス、販売網、流通サービスなど)もしっかりしています。

ラオスでは政府が一村一品運動を主導するには予算を含めた資源の面で大きな制約があり、また、産品作りや販売面でサービスを提供する民間企業が少ないため、生産者が必要としている多くのサービスをタイの業者に依存している状況です。そのため、一村一品運動も一朝一夕には進まず、ラオスなりのゆっくりとした歩みになるのでしょう。

その一方で、ラオスには豊富な自然や農業資源があり、ラオスならではの独特な産品が生まれる素地があります。また、欧米人や日本人に中にはラオスの自然、人々、文化習慣を愛するラオスファンも多く、観光客への販売やインターネットを通じた販売など、マーケティングの面でも可能性を秘めていると思います。

このあたり、できることは限られていますが、4月から始まる後継プロジェクトを通じて引き続き支援し、貢献していければと思います。

プロジェクトのサイト↓
http://www.odop.info/

  


Posted by icnetasia at 20:20Comments(0)ラオス

2012年01月09日

ラオス人スタッフの結婚式

新年おめでとうございます!

ブログの趣旨とはちょっとはずれますが、とても嬉しかったので紹介します。

先週金曜日に、ラオスで参加している一村一品プロジェクトのラオス人スタッフの結婚式がありました。このスタッフとはプロジェクト開始からの付き合いですし、また新年早々のおめでたいイベントでもありましたので、私もバンコクからバスを乗り継いでサバナケットまで駆けつけてきました。



新婦はプロジェクトの実施機関の職員さんです。ですので、プロジェクトがあったからこそ新郎新婦の出会いがあったというわけで、プロジェクト関係者では大いに盛り上がりました。

このスタッフ、プロジェクトに参加してきた3年間でとても成長しました。日本人専門家と一緒に業務をこなす中でいろいろなことを吸収してくれたと思います。もちろん、われわれも彼からラオス流やラオス社会などについて多くを学びました。

二国間援助の性格上、どうしてもプロジェクトのカウンターパートになる現地行政機関職員との協働が求められるのですが、これがなかなかうまくはいきません。もちろんやる気やコミットメントの高い行政職員もいますが、プロジェクト業務以外にも多くの業務を抱えていて時間的な制約がありますし、端からプロジェクトへの関心があまり高くない職員もいます。ですので、短期間に効率的に動くことが求められる日本人専門家としては、どうしてもプロジェクトのスタッフに頼らざるを得ない場合が多くなり、その分、彼らにノウハウや経験が伝わるのです。

まぁ、これも広い目で見ればラオス人の人材育成になるわけで、ある意味でプロジェクトによる大きな貢献なのだと思います。晴れ姿の彼に目を細めながら、これからもラオスのために頑張ってほしいなぁと思いました。


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Posted by icnetasia at 19:53Comments(0)ラオス

2011年12月28日

2011年のタイ10大ニュース

バンコクでもずいぶん涼しくなったなぁと思っているうちに2011年も年の瀬を迎えてしまいました…。今年は東日本大震災とタイでの大洪水があり、あらためて自然の脅威を感じるとともに、人々の助け合いに心を打たれた年でもありました。

以下、タイの新聞が選んだ今年の10大ニュースです。

・大洪水と政府の対応
9-10月にタイ中部とバンコク周辺を中心に大洪水。洪水による死者は12月25日までで752人。政府による被害総額と復興費用の試算は夫々1.3兆バーツと600億バーツ。

・インラック政権の誕生
選挙前の予想を超えるプア・タイ党の圧勝によりインラック政権が誕生。選挙公約であった大衆迎合政策の実施前に洪水対策のまずさに批判が集中。

・カンボジアとの関係改善
カンボジア政府との太いパイプを持つプア・タイ党政権誕生によりカンボジアとの関係が改善。近日中に不法入国で拘留されているタイ人活動家釈放の可能性あり。

・軍用ヘリコプターの墜落事故
7月に3機の軍用ヘリコプターが同じ地域で相次いで墜落。原因は悪天候と機械の不調。

・砂糖運搬中の平底荷船の沈没
沈没により大量の砂糖が流出し周辺の漁業に大きな被害。沈没後2週間後にようや引き上げに成功。

・タクシン元首相の元妻が脱税訴訟で逆転無罪
株式譲渡に係る脱税で刑事裁判所から有罪判決を受けていたタクシン元首相の元妻に対して上級裁判所が無罪判決。司法局が受け入れたことで無罪が確定。

・軍人によるひき逃げ
口論の末に医師がひき逃げされた事件。車が所有者が軍人であったことから警察が捜査に消極的であったとされるが、医師の母親が世論を喚起し運転していた軍人が逮捕、起訴された。

・運輸省事務次官宅から2億バーツの盗難
強盗が留守中の事務次官宅から2億バーツを運び出し、被害者であった事務次官に不正貯蓄の嫌疑がかけられている。現在捜査中。

・周波数改革の進捗
3Gや4G周波数を含む放送・通信の周波数改革が前進。11人のメンバーからなる国家放送・通信委員会が発足。

・不敬罪論争
アビシット元首相の秘書に君主制を批判する4通のSMSを送った61歳の男性に不敬罪として懲役20年の判決。これを機に不敬罪論争が活発化している。

総じて見ると、あまり明るいニュースが多かったとはいえないと思います。運輸省事務次官の不正貯蓄疑惑とか、溜息しか出ないようなニュースもありました(事実であれば、ですが)。月並みですが、来年は明るいニュースが多いことを祈ります。2012年が平和で喜びの多い年になりますように!

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Posted by icnetasia at 21:59Comments(0)タイ社会

2011年11月16日

洪水...3

まだバンコク周辺で浸水している地域は多いようですが、北のほうから少しずつ水が引き始め、バンコク中心部への浸水もどうやら防ぐことができたようです。少し前までは「キン カーオ ルヤン(ご飯たべた?)」ではなく「ティーバーン ナーム トゥワム ルヤン(家のあたりには水が来た?)」が挨拶がわりに使われていましたが、ここ数日はあまり聞かれなくなりました。

洪水している地域でいつまで水が残るのかはっきりしていませんし、洪水の社会経済的な影響がどの程度広く、また深いのかこれから次第に明らかになってくると思いますが、とりあえずは大洪水の山場を越えたということだと思います。

まずは洪水地域での排水が優先課題だと思いますが、水が引いて被害の状況が明らかになるにつれて、復興に向けてのさまざまな動きが出てくると思います。われわれはバンコク中心部にいて、結果的には周辺地域を犠牲にしつつ守られましたので、やはり何らかの形で被災者を支援していかなければと感じています。とりあえずは、僅かながらの支援金の募金と支援活動を行う団体への社員のボランティア派遣などを行っていますが、状況をみながらいろいろとできることを考えていきたいと思います。

復興に向けての動きが出てくる中で、政治的な駆け引きも活発になってきているようです。報道によると、月曜日には運輸大臣から洪水被害を受けたドンムアン空港、幹線道路、学校の修繕に180億バーツの予算が必要だという発言があったようです。大変な額だと思います。もちろん他にも多くの施設が損傷していますし、医療などのソフト面での予算も必要でしょう。さらに被災者への支援や今後の洪水再発防止策の実施など、やるべきことは多く、多くの財源が必要になることは間違いありません。今後、予算の取り合いを含めていろいろな意見が出てくることでしょう。少々場当たり的だとは思いますが、某政権与党の議員が低地にあり、かつ沈下しているバンコクからナコンナヨック県などへの遷都を提案するという記事もありました。

こうした状況の中で、現政権にはバラマキ政策の見直しを含めて、慎重な議論と、迅速かつ大胆な舵取りが求められると思います。洪水への対応に批判も出ている現政権の腕の見せ所であり、正念場でしょう。

  


Posted by icnetasia at 22:30Comments(0)タイ社会

2011年11月06日

洪水...2

今日の午後、国際協力機構(JICA)が主催した「タイ洪水災害調査に関する報告会」に参加してきました。防災・治水分野の専門家による洪水の要因・影響や今後の対策などについての調査中間報告で、今回の洪水について体系的に考えることができました。

今回の洪水をもたらした雨季の降雨は平年の1.4~1.8倍といわれており、大雑把に言うと50年に一度の降雨量だったといえるようです。説明によると降雨量は1.4~1.8倍でも地表を流れる水量はそれ以上になるとのことでした。これはある程度の降雨が地中に吸収されるためで、例えば100ミリの雨が降りそのうち70ミリが地中に吸収されると地表にあふれる水は30ミリになり、雨量が1.5倍の150ミリになると地中に吸収されるのは70ミリで変わらないため、地表を流れる水は2.5倍以上の80ミリになるというイメージです。個人的には地面がコンクリート化され水を吸収しなくなったことや、森林の保水能力が低下していることなども多少の影響があったのだろうとと素人目で想像しています。

結局のところは、チャオプラヤ水系の流下能力と治水対策がが何十年かに一度の降雨量に対応できるものではなかったということだと思います。説明を聞き、浸水被害を受けているアユタヤ南部の工業団地はもともと氾濫原に位置していて洪水のリスクがあるところだったことがよくわかりました。被害を受けた工場の方々にとっては、そんなことを今さら言われても困るという感じだと思いますが…。

バンコク防衛についても写真を交えた説明で理解が深まりました。また、視覚資料で国王のイニシアティブで設置されたというバンコク防御堤「King’s Dyke」の効果もわかりました。さすが国王です。

再発防止のための対策としては、ダムの建設や運用改善による洪水調節機能の強化、灌漑水路網を利用した排水能力の増強、レーダーなどによる洪水予測能力の強化などが挙げられていました。個人的には、排水経路を含む治水への個人や企業のモラルも大切なのではないかと思います。新聞報道では多くの高級住宅区やゴルフコースが不法に建設され排水を妨げているという記事もありました。人々の洪水対策に対する意識が変わらなければまた同じ過ちが繰り返されることになるように思います。
  


Posted by icnetasia at 23:21Comments(0)タイ社会

2011年10月18日

洪水...

先週土曜日に出張先のインドネシアからバンコクに戻りました。出張中は日々深刻化する洪水の報道を見ながらハラハラしていたのですが、戻ってみるとバンコク市内に水はなく、あちこちに土嚢が積まれている以外は大きな変わりがありませんでした。この土嚢、危機感の表れだと思いますが、まだちょっと場違いな感じがして、何だか馴染みません…。



バンコク防衛は行政機関の懸命な努力の結果として評価されるべきだと思います。ただ、中部各県の深刻な状況を映像で見る度に、下流にあるバンコクに被害が及んでいないことに違和感を感じます。首都を水害から守ることはもちろん大切ですが、洪水被害を受けている上流県の住民にとっては簡単に受け入れられるものではないでしょう。

ちなみに、元首相である某政治家の力により中部地方で例外的に洪水を回避しているといわれるスパンブリ県は、代わりに被害を受けている周辺県の反感を買い、「スパンブリ県からの支援は受けない!」と言われているそうです。バンコク防衛もそうですが、こうなると洪水を天災としてのみ捕らえるのは難しく、しこりが残りそうな気がします。

アユタヤ県やノンタブリ県の工業団地にも被害が拡大しており、製造業関係者の方々は不眠不休で調整に当たっていることと思います。洪水した工業団地からの物資の供給が止まり、一時休業するレストランも出てきました。近所の「8番ラーメン」も日曜日から休業しています。工業団地が市民の生活にどれほど近く、また洪水の影響がどれほど広いかを物語っていると思います。雇用や生活物資の供給の問題を含めて、これから次第に洪水の直接的、間接的な影響が明らかになってくるのでしょう。どれほどの影響になるのか想像もつきません…。

災害のない時に考えるのはなかなか難しいのかも知れませんが、やはり「災害に強い社会作り」ということを考えていかなければならないのだと思います。

今回の洪水被害では被災者への支援金の募金くらいしかできていませんが、できることを考えていきたいと思います。


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Posted by icnetasia at 12:30Comments(0)タイ社会

2011年09月19日

また赤シャツ…。


先ほどラオスからバンコクに戻ったら、いきなりまた赤シャツの集会でした。がっかり…。

赤シャツの存在意義やデモ・集会自体を否定したりはしませんが、わがもの顔で人々に迷惑をかけるのはやめて欲しい…。もしかしたら、彼らにはデモや集会のためだといって道路を封鎖したり大渋滞を引き起こしたりする権利はあるのかもしれませんが、同時に社会の一員として社会や市民に迷惑をかけないという義務も当然あると思うのです。

どうも都合のいい権利ばかりを声高に唱えて果たすべき義務は考えない、自分たちの要求は主張するけど責任は負わない、そんな方向にタイ社会全体が流れているような気がしてなりません。
  


Posted by icnetasia at 00:13Comments(0)タイ社会

2011年09月15日

日ラオス投資セミナー

昨日、サバナケット県で開催された「日ラオス投資セミナー」に参加しました。開催前はどれくらい盛り上がるのかちょっと疑問に思っていましたが、日系企業を中心に約70社、200人もの参加があったようです。盛況でした。



在ラオス日本大使館やジェトロが共催したことも大きそうですが、ラオスへの進出・投資に対する日系企業の関心が高まっていることは間違いないと思います。タイから参加された日系企業も多かったようです。

労働力の確保やインフラ整備の問題はあるとは思いますが、周辺国での賃金の上昇やラオス政府の投資奨励政策により、今後ラオスでの投資が増えて行く可能性は高いように思います。

このセミナー会場でわれわれが参加する一村一品プロジェクトのブースを設営し、産品の展示やプロジェクトの説明もさせていただきました。



お話しをさせていただいた方々からは前向きなご意見が多く、素直にうれしかったです。産品の中では特に黒米から作った焼酎やパンの評判がよく、強い手ごたえを感じました。

一村一品運動と日系企業のビジネスというのは一見関わりが薄そうですが、一村一品の産品を製品や原材料として日系企業に供給するだけでなく、日系企業から一村一品生産への資機材供給や専門家派遣なども潜在的なビジネスチャンスとして考えられるとと思います(最近流行のBOPビジネスにも通じます)。

このあたりも引き続き可能性を探っていきたいと思います。

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Posted by icnetasia at 12:43Comments(0)ラオス

2011年09月14日

陶器の窯作り


またラオス南部に来ています。毎日小雨が降りすっきりしない天気が続いていますが、メコン川の水位は少し下がって落ち着いたような気がします。それにしても今年は雨が多いです…。

こちらでの一村一品プロジェクトの一環として、サバナケット県アサポーン郡での陶器作りを支援しています。対象の村では伝統的に陶器を作っているのですが、自然の地形を利用した穴を窯として使っているため、陶器を高温で焼くことができず、また雨季には水浸しになってしまうという問題がありました。



そこでプロジェクトでは村人と一緒に新たな窯を建設することを決め、タイ人の職人からの指導を受けながら建設に取り組んできました。村人と相談した結果、煉瓦作りから窯の建設までを村人が労働や材料を提供しながら自分たちで行うになり、彼らのペースで一歩一歩進められてきました。その分時間はかかりましたが、村人の結束は高まり、自分たちの窯に対する誇りとオーナーシップが醸成されてきたように思います。

その窯がようやく完成しました! 



煉瓦作りから始めて1年以上かかりましたので、サポートしてきた身としてもやはり感慨深いものがあります。村人も支援してきたタイ人職人もとても満足そうでした。こういう瞬間は本当に嬉しく、開発ワーカーとしてのやりがいを感じます。

もちろん窯を作って終わりではありません。プロジェクトでは窯作りと同時に、陶器の質を改善するために、現地の状況に合う電気轆轤の導入も支援しています。下の写真は轆轤を組み立ているところです。



この窯が陶器の生産増加と村人の収入向上につながるように、製品の改善、新しい製品作り、販売促進などを引き続き支援します。


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2011年09月01日

雇用情勢と日系企業


昨晩、日系人材派遣会社の社長さんによる「タイの雇用情勢から見た日系企業の動向」についての発表を聞く機会がありました。

紙面で見たり話しを聞いたりはしていましたが、やはり製造業・非製造業を問わず、日系企業のタイ進出ラッシュが続いているようです。今後も増えていくだろうとのことでした。その理由として、1)震災の影響(工場などの新たな地での建て直し、リスク分散など)、2)円高、3)中国でのビジネスリスクとインドへの足がかり、そして4)上記理由で進出する納品先への追随、が考えられるようです。

中小・零細企業の進出も目立ち、捨て身で進出しているところも少なくないとのことでした。また、賃金上昇の動きもあり、近い将来、少なからずの中小・零細企業の経営が行き詰ってしまうことも懸念されていました。厳しいですね…。

最近発表されたタイの今年第二四半期の失業率は0.6%で、統計上は完全雇用状態が続いているようです。日系企業からの求人は増える一方で、管理職クラスだけでなく、ワーカーレベルでも人を探すのがさらに難しくなっているとのことでした。

新政権の最低賃金や大卒公務員初任給の底上げ政策により賃金水準全体が急激に上がる可能性もあり、労働市場は売り手市場が続くのでしょう。そうなると、人材を確保するために、外国人労働者の雇用や、ワーカーを比較的集めやすそうな地方への進出に舵を切っていく企業も出てくるのでしょうが、こちらも法制度上の課題や、地方で管理職レベルのスタッフを探すことの難しさがあり、なかなか簡単にはいかないのだと思います。

日系企業の進出ラッシュが続くという明るそうなトピックの中で先行きの不透明感が漂うお話しでしたが、最後に興味深い話しをうかがいました。15年前ほど前と比べると、タイ人従業員の離職率が明らかに低下しているそうです。その理由としては、タイ人従業員を管理するタイ人管理職が育ってきたこと、タイ人の「会社に勤める(サラリーマンとして働く)」ことの理解が深まったこと、根付いてきたことなどが考えられるようです。

これは、これまで進出してきた日系企業が、苦労しながらも、いろいろと工夫してタイ人従業員の育成に努めてきたことの大きな成果でしょうね。


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2011年08月19日

企業による地域貢献活動

先ほど大雨のサバナケット(ラオス南部)から小雨のバンコクに戻りました。一時は悪天候で飛行機(といっても小型プロペラ機ですが…)が飛ばない可能性もあったようですが、何とか戻ってこれて助かりました。ちょっと体調を崩し気味だったので、ほっとしています。でもやっぱりバンコクも水浸しですね…。

私の海外出張中にうれしい出来事がひとつありました。当社では、これまでの開発コンサルタントとしての経験を活かして、タイに進出している日系企業の地域貢献活動をお手伝いできないかと考え、少しづつですが情報収集やネットワーク作りをしています。具体的には、地域貢献活動のプログラム作りや実施のお手伝い、地域で活動するNGO/NPOや政府機関との仲介、活動の評価などで役に立てればと思っています。

その一環として、バンコク在住の有志の方と協力しながらノンカイ県とコンケン県の障害者職業訓練学校のオートバイ修理コースへの支援の仲介に取り組み、日系オートバイ製造会社からの支援が実現しました。下の写真は、8月15日に開催された寄贈品授与式の様子です。



まだ動き始めたばかりですが、今後はこうした日系企業による地域貢献活動のお手伝いも積極的に行っていきたいと考えています。


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2011年08月14日

洪水

7月後半から海外出張や研修が立て込んで、バタバタしていました。先週からはラオス南部に来ています。

この間、タイでは洪水被害の拡大とか新政権の発足とか、いろいろなことが起こっていますが、今ひとつフォローできておらず、来週帰国する時にはすっかり浦島太郎になっているような気がします…。

タイでも例年以上に豪雨、洪水の被害が深刻なようですが、こちらでも毎日雨が降り続いていて、水が溢れています。

先日、サラワン県のトゥムラン郡にあるパイロットプロジェクト地を訪問する際には、豪雨により途中の道路が水没していて、立ち往生してしまいました。下の写真は強行突破しようとした先行車両が水路の途中で止まってしまい、人力で引っ張り上げて何とか脱出しようとしているところです。

   

われわれの車も強行突破しようと無意味にテンションが上がったものの、この状況を目の当たりにしてすっかり意気消沈。結局、断念して引き返しました。

メコン川も増水していて、もう少し水位が上がると街中に水が溢れそうです…。対岸のムクダハンも水が陸地に迫って海岸線のように見えます。



タイの新政権もまずは洪水対策に追われることになると思います。迅速な対応を期待したいところです。


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2011年07月18日

バイオ・ディーゼル


先日、日本のエンジニアの方々と一緒にバイオ・ディーゼルを作る機械を生産している工場を訪問する機会がありました。

下の写真がバイオ・ディーゼルの原料になるジャトロファ(和名:ナンヨウアブラギリ、タイ名:サブーダム)です。



バイオ・ディーゼルは石油に比べて環境にやさしい代替燃料であり、また、地域住民が比較的簡単に自分たちで生産してトラクターなどの農耕機械などに使えることから、コミュニティ開発の視点でも面白いと思っています。

日系企業の技術力とタイ企業の適正技術をうまく融合しながら、タイで低コストで高品質の機械を製造できれば、最近よくいわれるBOP(Bottom of Pyramid)ビジネスの好事例にもなるような気がします。アンテナを張っていこうと思います。

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2011年07月04日

下院選挙の結果

本日行われた下院選挙。スパンブリー県の農村地域で投票の様子を見てきました。



10年ほど前の選挙でも同じ投票所を見に行ったのですが、その時に年配の女性が「私の投票用紙を買わないかねー? 300バーツでいいよぉ」と叫んでいたことを覚えています。今回の投票は粛々と行われていましたが、「XX党が村長を通じてガソリン代として1人100バーツ払った」とか、「XX党が投票所で堂々と1000バーツ札を渡していた」といった噂が村の中で流れていました。まだまだですね…。

さて、投票結果。今テレビを見ながら書いていますが、どうもタクシン元首相のプア・タイ党が得票を伸ばして単独過半数をとったようです。赤シャツ隊を含むタクシン・シンパの基礎票に加えて、ばらまき政策に対する期待票や民主党主導政権に対する不満票が予想以上にプア・タイ党に流れたということだと思います。

これで政権が変わるわけですが、今後プア・タイ党の主導で政治活動を禁止されている政治家への恩赦やタクシン元首相の帰国をめぐる駆け引きが始まり、タイ国内が再び大きく揺れることになるのでしょう。これはかなり心配です。もちろん、タイ人が決めることなので私が心配してもしょうがないですけど…。昨年の赤シャツデモのような暴動はご免です。

あと、恩赦をめぐる騒動が王制をめぐる議論に飛躍し、タイの社会開発の精神的柱である現国王が窮地に追い込まれたり、国体自体が崩れるようなことにならないか心配です。これはやはり見たくありませんね。もしそうなると、また軍隊が出てくるかもしれませんし…。

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2011年06月27日

ばらまき政策の結果


日曜日の英字新聞に、SML基金というコミュニティを対象とした資金提供プログラムの調査結果が掲載されていました。この基金は、タクシン政権時代に導入され、その後の政権下でも形を変えながらも維持されてきた政策です。今回は監査院が全国10県の210の村をを対象に調査が行われたそうです。

その結果は実に悲惨…で、資金を使って建設された建屋が放置されていたり、購入された農業用車両(イテン)がガソリンがなく使われていなかったり…という状況の用です。基金の管理体制の問題も大きく、74%の村で建設や調達の入札が不透明で、75%は帳簿をつけていなかったとのことです。また、(これは予め予想されたことだと思いますが)権限のある村のリーダーが個人的に使い込んでしまった村もかなりあったようです。

こういう報告を読むと、各党が選挙戦で熱っぽく語っているばらまき政策は怖いですね。村人のことを最初に考えるのはもちろんいいことだと思います。でも、政治家の役割は、記事の最後にあるように、単に村人の欲(Desire)を満たすのではなく、本当に必要なもの(Needs)をつきとめて効果的・効率的に提供していくことなのでしょう。当たり前のことだと思うんですが…。

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2011年06月25日

ラオス一村一品プロジェクトの新サイト

われわれが参加するラオス南部での一村一品プロジェクトのウェブサイトが新しくなりました。
http://www.odop.info/

ちょっとですがアップグレードしています。ご関心のある方は是非訪ねてみてください。



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2011年06月13日

FBに670万人

タイでのインターネット化、すごいです。新聞報道によると、昨年末のインターネット利用者は2000万人で、前年から3割ほど増えたそうです。また、若者を中心に急激に広まりを見せているフェースブック(FB)の登録者は昨年末で670万人で、こちらは前年の3.4倍に急増したそうです。すごいですね…。そしてiPad。発売されてからそれほど時間がたっていませんが、すでに使用者数がすでに4万5千人だそうです。

この急速なネット化の先に何があるのでしょうか…。ちょっと怖い気もします。もちろん、経済・社会・生活のさまざまな面でたくさんのプラスの影響があると思います。ただ、その一方で、インターネットがゲームとか意味の無いつぶやきやチャットにばかり使われたり、賢いネット機器が社会的なステータスにしかならないようであれば、社会的にマイナスになることも多いような気がします。タイ人のネットの使い方とか、ブランド機器の爆発的な人気を見ていて、ちょっと心配になりました。

あと、某政党が選挙公約の中で学生全員にタブレットPCを配布するとか言っているようですが、これは信じられません…。政策的な意味があるとは思えませんが、人気取りにしても「そこまでやるか…」とちょっと呆れてしまいます。


アイ・シー・ネット・アジア -「開発」とその先を考えます-
253 Asoke Bldg, 10th Floor, 253 Sukhumvit 21, Bangkok
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2011年06月02日

タイ-アセアン・トレードフェアー

先週からラオス一村一品プロジェクトでの業務でまた南部ラオスに来ています。

昨日、今日はタイ-アセアン・トレードフェアーの視察のために、一旦国境を越えてウボンラチャタニ県に行ってきました。快適な旅ではありましたがが、日中はすごく暑かったです…。

今回のフェアーでは、われわれが支援する一村一品産品のうち、籐細工、養蜂蜂蜜、天然蜂蜜、ビーフジャーキー、黒米、古代塩、籐の芽の水煮が出展・販売されています。



各産品の情報などは下記のプロジェクトのウェブサイトをご覧下さい。
http://odop.jimdo.com/

肝心の売れ行きはというと、洗練されたタイの製品や安値で勝負のベトナム製品に埋もれてなかなか売れ行きが伸びない産品が多く、悪戦苦闘気味です…。いいものは多少値段が高くても良く売れるんですが、しっかりしたセールスポイントがない産品は弱いですね。出展されていたタイ、ラオス、中国、ベトナムの産品群やタイ人訪問者の反応からいろいろと学ばせてもらいました。

プロジェクト期間も残り半年ほどになりました。各産品の生産者や地域にできるだけインパクトを残して終われるように、気を引き締めて臨みたいと思います。

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Posted by icnetasia at 22:12Comments(0)ラオス

2011年05月30日

平和の指数


前回に続いて社会状況に関する指標について。今回は平和指数です。

シドニーに本部を持つ民間シンクタンク「経済・平和研究所」が世界平和指数(Global Peace Index:GPI)を発表しました。これは、世界153の国と地域を対象に、犯罪発生率、自殺数、紛争や暴力の被害者数、テロの可能性、政治の安定など23項目を指標化し、平和な社会の実現度を測ろうというものです。

詳細は以下のサイトをご覧下さい。
http://www.visionofhumanity.org/

この指数によると、トップ10は、1)アイスランド、2)ニュージーランド、3)日本、4)デンマーク、5)チェコ、6)オーストリア、7)フィンランド、8)カナダ、9)ノルウェー、10)スロベニアの順です。

経済的には最貧国に入る長閑な小国ラオスが32位、ブータンが34位で、フランス(36位)、イタリア(45位)よりも上位にきています。アメリカ合衆国にいたっては、真ん中より下の82位で、多くのアフリカ諸国より下位にランクされています。経済的な豊かさと平和にある程度の相関関係はあるとは思いますが、この指標に限れば、経済成長=平和な社会の実現ではないことが見て取れます。

さて、タイランド。107位で下位グループに含まれてしまいます。ミンダナオ紛争を抱えるフィリピン(136位)、ミャンマー(133位)、カンボジア(115位)よりは上位ですが、その他のアセアン諸国よりは下位にランクされています。長期化している政情不安やデモ隊の暴動などを考えれば頷けるところでしょうか。

どういう結果になっても急に進むとは思えませんが、1ヵ月後に控えた下院選挙の結果、少しづつでも国民和解が進み、来年度のランクではせめてトップ100入りくらいは果たして欲しいものです。


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